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小豆島が誇る手延べそうめんの製造工程を写真で解説!

小豆島の手延べそうめんはこうして作られる!

前回のブログで「手延べそうめん」は機械と人間の作業が半々、と書きましたが、その貴重な現場を写真をレポートします。

取材はマルカツ製麺所の三木政人さんにご協力いただきました。

左:三木政人さん 右:大畑大介

 

 

1.おで

小麦粉と食塩水を混ぜて練り合わせ、そうめん生地の土台を作ります

天候や気温に合わせて塩加減を調整しながらグルテンがしっかり形成した麺生地を作ります。

そうめんの品質が決まる大事な作業。

おで:そうめんはこんな大きな生地のかたまりから始まります。

 

おでの機械がゆもとさんのものだったので驚きました。

ゆもとは大畑大介商店で取り扱っているもう1つのそうめん、播州そうめんの会社。

 

「そうめんの機械を作る会社」から「そうめんを作る会社」になったという珍しい会社です。

ゆもとのそうめんもとても美味しくておすすめです。

 

2.板切(いたぎ)

大きな生地を約10㎝の厚さにします。できた生地は重ねあわせて再びロールにかけます。これを5~6回繰り返すことでコシが出ます。

出来た生地は桶に巻き取っていきます。

 

まだまだそうめんがイメージできない板のような形状です!この機械もゆもとさんのものでした。

 

3.油返し

「いたぎ」でできた麺帯を丸棒状にし、かどやの純正ごま油を塗りながら桶に巻き取っていきます

そうめん作りに欠かせない油。ごま油だけを使用する点が小豆島の手延べそうめん最大の特徴です。

 

直径約2㎝の丸棒状になりました。圧延、複合を繰り返した生地が熟成し、ごま油も塗られて滑らかな表面になってきました。

 

 

4.中より

自動巻機に2回かけてより」を掛けながらさらに表面を滑らかにし、ここでもごま油を塗ります。

 

人の手で「より」をかけながら機械で圧延することでグルテンができてコシのあるそうめんになっていきます。

 

中より:生地の直径は約1cmほど。麺っぽくなってきました。

 

5.小より

引き続き「より」を掛けながらさらに細め、ごま油を塗りながら巻き取ります。

麺の直径は7mmほどになりました。

小より:麺がだんだん細くなってきました(直径約7mm)。

 

6.掛場(かけば)

よりを掛けながら細め、2本の掛管に麺を8の字に掛けていきます。掛け機を使うと一瞬ですが、この機械、使い方が複雑!

人間の手による繊細な作業や力加減などがなければ成立しない行程です。

 

最初は「手延べそうめんなのに機械を使うのか・・・」と、勝手に思っていましたが、機械だけで簡単にできるものでもないと分かりました。

 

 

かけば:この機械は約70年間も大切に使われてきたもの。“あやとり”のように麺を掛けいきます。掛け方は職人さんによって異なるそう。

 

かけば:「麺によりを掛けながら2本の棒に8の字にかけていく」という機械を70年前に作った日本の技術力もすごいと感じました。

 

手延べそうめんには人の手機械の両方が欠かせないんですね

 

8の字に掛けた麺は「寝びつ」という箱にしまって熟成させます。

 

7.小引き(こびき)

寝びつで熟成させた麺を約50cmに延ばし二つ折りにして再び寝びつで熟成させます。

 

小引き:機械でびよーんと50cmに延ばす

 

小引き:伸ばした面を2つ折りにして寝びつにしまう

 

 

8.箸分け

熟成した麺を干木(乾燥台)にかけて上下から箸分けをして麺の付着をさばき、130cmほどに延ばします

 

箸分けを器用にこなす大畑

 

9.門干し(かどぼし)

その後、麺を200cmほどに延ばし、更に細くします。

 

機械で門干しをしている様子

 

10.乾燥

天日干ししたのち、屋内に移して乾燥させます

 

小豆島のそうめん作りに「天日干し」の工程は欠かせません。

晴れた日に、天候をみながら約20分〜1時間天日干しします。

天日干しによってそうめんはほんのりとした自然な白さをまとい、また味にも奥行きが生まれます。

湿度や風を読みながら、太陽の位置に合わせて麺の向きを調整するなど、繊細な職人技が光る工程です。

 

 

 

乾燥:天日干しのそうめんがとてもきれいなので、マルカツ製麺所の皆さんと記念撮影

 

乾燥:天日干し中も長い箸で麺をほぐしていきます。「これ気持ちいい!」と大畑。この段階のものが生そうめんです。

※生そうめんについてはコチラ

 

乾燥(屋内):時間をかけて水分13%以下に均一に乾燥させます。

 

 

11.小割り

乾燥したそうめんはそのままでは非常に長いので19㎝の長さに切ります

 

乾燥しているので「切る」というより「割る」感覚があることから小割りという作業名なのでしょうか?

 

12.結束

一束ごとにまとめていきます。

 

この写真は「島の光」のもの。

 

「島の光」は小豆島手延素麺協同組合に所属する生産者によって作られます。

職員さんは、一袋に入れる束の数が感覚で分かるそう!

「ひと掴み=ひと袋」なのです。

 

小豆島手延素麺協同組合のみなさん

 

本当のそうめん好きはそうめんを「箱買い」します。このカッコいい木箱も実は後継者がおらず、もう少しでなくなってしまいます。

 

最後に

小豆島にはかつて200軒も製麺所(そうめん屋)がありました。しかし今ではわずか70軒にまで減少しています。

 

若手人材の不足や生産者の高齢化、設備維持の難しさ、小麦の値上がりなど、さまざまな要因により、わずか数十年で1/3まで減少してしまいました。

 

貴重な日本の、小豆島の食文化である手延べそうめんを守るためにも、“手延べの味”、“本物の味”をぜひ知って欲しいと思います。

 

<職人直伝!簡単&美味しい食べ方>

生産者さんたちならそうめんを美味しく食べる方法を知っているに違いない、と聞いてみたところ、小豆島では太めのそうめんを「釜揚げ」で食べると教えていただきました。

 

なるほど!釜揚げそうめんなら調理が簡単で、鍋ごと食卓に出せば良いので盛り付ける手間も洗い物も省けます。

 

何より、シンプルで美味しく、暑い夏以外ならいつでも簡単にできるのがとても良いと思いました!

 

まさに手延べそうめんの産地の、忙しい職人さんらしい食べ方ですね。

 

本当に美味しいのでみなさんもぜひ真似してみてください。

手延べそうめんの伝統を守るためにも、夏以外にもぜひそうめんを食べて欲しいと思います。

 

右:手延素麺協同組合理事の須佐美裕一さん

 

 


この記事を書いた人

この記事を書いた人

うどん県出身。

宝飾品会社、大手テレビ通販会社勤務を経験したのち、不思議な縁に導かれ20数年暮らした東京から大阪に移住、大畑大介商店の担当となる。

大畑も認めるラグビーマニアで、好きな選手は200人ほどいるが現在注目しているのはアントワーヌ・デュポンと李承信。

 

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