「白いちご」とは？なんで白いの？

近頃、いちごの季節になると白いいちごを見かけるようになりました。

スーパーよりはデパ地下の高級フルーツコーナーに置かれていることが多いです。

白いちごは一体どんないちごなのでしょうか？普通のイチゴと何が違うのでしょうか？

「白いちご」は品種名ではなく、淡い色をしたいちごの総称です。

淡い色なので、色の幅は「真っ白」から「ピンク色」まであります。

一般的ないちごが赤い色をしているのは、日光に当たることで生成されるアントシアニンの働きのためです。

アントシアニンはポリフェノールの一種で、ぶどうやブルーベリーなどにも多く含まれている天然色素です。

白いちごが白いのは日光に当たってもアントシアニンが生成されない（あるいは生成されにくい）のです。

品種によって起源は異なりますが、もともと自然に生えていた野生種の白いちごもあれば、品種改良によって生まれたもの、赤いいちごが突然変異で白くなったものもあります。

「白いちご」はなぜ高い？

白いちごのお値段は、とっても高いです！

一粒から買えるものもありますが￥1,000程します。

安いものでも1パック￥1,500ほどからで、￥3,000〜5,000辺りが最も多く上は優に1万円を超えます（2025年2月末〜3月上旬頃）。

なぜこんなに高いのか？

それは「○○県の数軒の生産者しか作っていない」という品種がいくつもあり、生産量が非常に少ないからです。

そのため、まだまだ市場では産地の近くや高級フルーツ店の店頭にしか並ばないことが多いようです。

ただ、需要が伸びているため、今後は少しずつ生産量・流通量が増えて価格が下がってくる可能性はあります。

実はこんなにある！「白いちご」品種ごとの特徴をまとめてみた

大阪の梅田周辺のデパートを中心に白いちごの販売状況を調べてみたところ、白いちごはいちご売り場の10％ほど、品種はそれぞれ2〜３種類の取り扱いでした（2025年2月末〜3月上旬頃）。

トータルでは白いちごは意外とたくさん品種があると分かりました。

その品種と特徴をレポートします（自腹で）！

初恋の香り

種苗会社が「いちご業界を元気にしたい！」との思いから開発した世界初の白いちご。

熟すと白→ピンク色に変わる。

酸味が弱く、しっかりした甘みと桃のような香りが特徴。

出荷時期は11～3月で、出回っている時期がほぼ旬と考えられる。

種苗会社のいちご愛から生まれた「初恋の香り」

淡雪

2013年に品種登録された鹿児島生まれの品種で、オレンジっぽいピンク色の白いちご。

酸味がほとんどなく甘さが上品。ハリ・ツヤがあり果肉は白いちごの中では比較的しっかりしている。

出荷時期は12〜4月。

「淡雪」はサーモンピンク色

外側に近いところはサーモンピンク色で、実の中心は白い（淡雪）。

雪うさぎ

2014年に品種登録された品種で、果肉は真っ白。熟すと種が真っ赤になって白うさぎのようなことから名付けられた。

酸味がほとんどない優しい甘さと大きさが魅力。

出荷時期は12〜５月で、旬はほぼ出回る時期。

「雪うさぎ」は種が真っ赤に色付いたら食べ頃

コットンベリー

奈良県の生産者の「赤いいちごを超える白いちごを！」という熱い思いから生まれ、2021年に登録出願された品種。

丸みのあるきれいな三角形と全体的に淡いピンクの外見が可愛らしい白いちごで、甘い香りと、酸味がほとんどなく赤いいちごのようなしっかりした甘さが特徴。

他のどの白いちごよりも、甘さが赤いいちごに近いと感じました。

果肉がかわいいピンク色になる「コットンベリー」

パールホワイト

奈良県で生まれ2015年に品種登録された白いちごで、「パールホワイト」は愛称。形は縦長の丸っこい三角。熟すと果皮が白～薄いピンクがかった白色になり、種が赤くなる。ほどよい甘味で酸味が少ない優しい味わい。出荷時期は12月頃から4月頃。

果肉が薄いピンクに色付いた「パールホワイト」。種が赤くなる点は雪うさぎと同じ（雪うさぎは果肉が白）。

大阪 梅田周辺の白いちご販売状況のまとめ

調べると他に天使の実、天使のいちご、ミルキーベリー、桃薫（とうくん）、ゆきざくら等まだ種類があるようです。

各品種の生産量が少ないため、残念ながら全種類を見ることはできませんでしたが、淡雪はほとんどのお店にありました。

このことから淡雪の人気と味への信頼が伺えると感じました。

「白いちご」は美味しくない？赤いいちごと白いちご食べ比べ

関西（大阪）で手に入る白いちごを一通り食べてみましたが、次に関西が誇るトップブランド古都華（赤）と人気の淡雪（白）を食べ比べてみました。

淡雪

食べる前から甘い香りが漂います。

古都華に比べると果肉は柔らかく、上品な甘さで酸味は余り感じません。後味がさわやかないちごです。

古都華

鮮やかな赤色とつやつやとした光沢、きれいな逆三角形がとにかく美しい。

甘みと酸味のバランスが取れた味わい、鼻に抜ける香り、後味、すべてが濃厚です。

サーモンピンクのいちごが「淡雪」

赤白いちご食べ比べの結論

赤白で違いはあります！が、どちらも美味しいです。

赤いいちごと比べて白いちごは全体的に酸味が穏やかで優しい甘さ、果肉が柔らかい点が特徴と言えそうです。

白いちごが出始めたころは「甘くない」「美味しくない」という声も聞かれましたが、食べてみたら全然そんなことはありませんでした。

白いちごの中にも糖度が13～15度ほどになる品種があり（いちごの平均糖度は10度前後）、年々美味しくなっていると言えます。

しっかりした酸味と甘味、いちごらしい王道の魅力を味わいたい方は赤いいちごがおすすめ。

かわいらしい見た目、酸味と甘味が優しくすっきりした味わいがお好みの方は白いちごがおすすめです！

おすすめの淡雪「アイランドベリー」

大阪の中心、梅田のデパ地下で最も人気のあった淡雪。

淡路島でこの淡雪を栽培している生産者がいらっしゃいます。

それは、、、株式会社千成屋 淡路苺農園さんです。

2018年から本格的に淡路島で農園をはじめ、サッカーグラウンド程の約6000平米の広大なビニールハウスで

淡雪「アイランドベリー」をメインに育てています。

淡路苺農園のこだわりポイント！

ポイント①淡路島の天候を使ったサステナブルな生育方法

淡路島は関西圏では最も日照時間が長いとされています。

淡路苺農園ではその太陽光を存分に利用し、日中にビニールハウス内を暖めることで

夜間にボイラーを使う時間を極力減らす取り組みをしています。

近年の原油価格高騰によるコスト削減だけでなく、CO2の排出を減らすことで、味わいだけでなく、

環境にもやさしい「アイランドベリー」を育てています。

ポイント②土へのこだわり

淡路苺農園さんには、門外不出の秘伝の土作りノウハウがあります。

土の成分分析だけでなく、栄養素まで分析し、土に足りない栄養素を開発しています。

有機肥料を使い、土本来の力を発揮させることにより、化学肥料や農薬を極力 使用しないようにこだわりをもって栽培しています。

真っ白でも真っ赤でもない、淡雪「アイランドベリー」はピンクがかった白いちご。

優しい雰囲気を纏った白いちごは、酸味があまりないことで、甘みが引き立てられ、見た目と味のバランスが絶妙ないちごです。

大畑も食べる前はどんな味か想像できないと言ってましたが、一粒食べて納得！

思わず「優しい…」とつぶやいてしまうほど魅力あふれるいちごでした。

白いちご　産地直送がおすすめな理由

今回の取材のため、千成屋さんのアイランドベリーや一般市場で販売されている白いちごを色々食べてみて気づいたこと、それは産直の白いちごは圧倒的に香りが良い！ということです。

店頭に並ぶ白いちごにも勿論鮮度が高いものはありますが、中には葉っぱが乾き茶色っぽく変色しているものもありました。流通経路や輸送時間を考えると仕方ないとも言えますし、それでも充分美味しく食べることはできます。

産直のいちごは当然鮮度抜群なので、特に繊細な白いちごは、鮮度が高いと味も香りも全く違います。

特に今回は淡路苺農園さんのご厚意もあり、大畑大介商店でしか買えない特別なセットをお届けできることになりました。

２L以上の大粒の「アイランドベリー」を楽しむのもよし！

規格外サイズの大容量1キロの「アイランドベリー」をそのまま思う存分食べるのもよし！

冷凍してヨーグルト等に入れるもよし！ジャムやジュースにするもよし！

ぜひ産地直送のアイランドベリー（淡雪）の味と香りを丸ごと100％味わってください！

この記事を書いた人

ラグビー歴17年

5歳から大学までラグビー漬けの日々を過ごし、

新卒で違う会社に入社するも、ラグビーへの思いを捨てきれず

偶然の出会いから、現在は大畑大介商店のスタッフとして従事。