アワビとは？

アワビは平たい一枚貝に見えますが、実は巻貝で、コンブやワカメ、カジメなどの海藻を主食としています。

生で食べるとコリコリとした歯ごたえが楽しめ、加熱すると柔らかくなります。

栄養面では良質なたんぱく質、細胞を再生し若さを保つコラーゲンが豊富で、ビタミンB群やミネラルを含み、滋味あふれる味わいがあります。

タウリンの含有量は魚介類のなかでトップクラスです。

日本では古来、神祭の供物とされたり武士の出陣帰陣の吉例として出されてきました。

祝儀物としても用いられており、干しアワビを薄く切ったものは

「熨斗（のし）」として祝い事に使われてきました。

ご祝儀袋の右上にある包み、その真ん中の黄色いものは干しアワビを模したものなのです。

このようにアワビは昔から高級品で、縁起物でした。

中国では秦の始皇帝が不良長寿の妙薬として求めたという逸話も残っているそうです。

食べ方のバリエーションは干したり煮たり蒸したりと様々で、生食として刺身やすし種のほか、身をさいの目に切って氷水にさらしてワサビ醤油で食べる「水貝（みずがい）」があります。

アワビステーキも良いですね。

韓国ではアワビ粥が有名で、滋養強壮効果が高くヘルシーな料理として人気です。

アワビの種類

日本で出回るアワビは主に４種類で、いわゆる「アワビ」として皆さんが口にする種類は、クロアワビもしくやエゾアワビがほとんどです。

ですが実は、4種類に味の差はそれほどないといわれています。

クロアワビ（黒鮑）

歯ごたえがあり刺身向き。最も高級とされる。非常にデリケートで養殖には不向き。

エゾアワビ（蝦夷鮑）

クロアワビの北方種と考えられており、日本のアワビの漁獲量の半分ほどを占める。

メガイアワビ（雌貝鮑）

柔らかいので煮物、蒸し物向き。

マダカアワビ（眼高鮑）

日本産で最大のアワビで～25ｃｍほどにもなる。漁獲量は少ない。

アワビの旬

一般的に旬は夏とされていますが、厳密には種類や産地によって異なります。

アワビは水温20℃前後で産卵期を迎えるため旬の時期はそれに影響されます。

しかし産卵時期をコントロールできる養殖の場合は常に美味しい状態で出荷が可能です。

天然アワビと養殖アワビの違いは？

天然アワビ

・言わずと知れた高級品。

・希少性が高く、高値で売れる。

・特にエゾアワビの10年以上のものは旨味が凝縮していて非常に美味。

・育つまでに時間がかかる。

・環境の変化や乱獲により漁獲高は少なく、水産資源としても保護すべき種となっている。

養殖アワビ

・天然アワビと比較して安定した量の提供が可能。

・味は天然アワビと遜色がなく、天然アワビより安く購入できる。

・餌が安定的に供給されるため、成長が早い。

・産卵時期をコントロールできるため、一定のクオリティで出荷が可能。

・特に陸上養殖は設備や管理にコストと手間がかかるが、海の豊かさを守ることにもつながり、SDGｓの観点からも大切な産業といえる。

養殖アワビとは？

アワビはとても神経質な生物のため養殖は難しいと言われていますが、長年の研究と努力により可能となっています。

養殖アワビの大きな特徴の一つはその貝殻。

養殖アワビは貝殻に餌となる海藻の色が出やすく、貝殻の表面は付着物が少ないためつるりとしています。

気になる味の方は天然ものとほとんど違いはなく、価格は天然ものの方が高価です。

→養殖アワビについて、和歌山県で唯一アワビの養殖をしている湯浅町漁業生産組合さんにお話を伺ってきました。

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この記事を書いた人

うどん県出身。

宝飾品会社、大手テレビ通販会社勤務を経験したのち、不思議な縁に導かれ20数年暮らした東京から大阪に移住、大畑大介商店の担当となる。

大畑も認めるラグビーマニアで、好きな選手は２００人ほどいるが現在注目しているのはアントワーヌ・デュポンと李承信。