米不足と価格高騰に思うこと──2024年稲刈り活動レポート
2024年秋、4回目を迎えた熊本県での稲刈り
2024年10月上旬、熊本県玉名市での稲刈りイベントが行われました。
今回で4回目を迎えたこの活動について、リポートします!
2024年の熊本のお米は昨年同様「良い出来」です。
全国的な米の収穫量は昨年を上回り679万tとなりました(2023年661万t、2022年670万t)。
今年の稲刈りも大西将太郎さんが駆けつけてくださいました。大西さん、いつもありがとうございます!
毎日食べているお米。子供の頃に田植えや稲刈りを経験するというのは大切なことですよね。
ちょっと危なっかしい薪割りですが、大人がしっかりサポートしながら力の加減を教えます。
みんなで割った薪を使って新米をかまど炊きします。
大野保育園の先生方と一緒に子供たちのおにぎりを作る大畑
新米なので粒が立ってピカピカのおにぎり
みんなで稲刈りした後はお待ちかねの新米の試食です。子供達はもうお腹ペコペコ!
愛情いっぱいに作られたおかずと一緒におにぎりを頬張ります。
見てください、この笑顔!
大野保育園の園長先生のお話では、こうやって食べると子供達はいつもの給食よりも断然たくさん食べるそうです!
稲刈りで体を動かした後だし、新米は美味しいし、外で食べると楽しいし、いっぱい食べちゃうよね!
子供達の美味しそうな笑顔を見ているだけで嬉しくなります。
2024年の稲作事情:米の高値と米不足の背景にあるもの
全国的な米不足の原因とは?
2023年から2024年の新米が出るまで、「令和の米不足」が起こり、お店に行ってもお米が買えないような状況になりました。
その原因は以下のようなこととされています。
・2023年の猛暑や水不足による米不足と質の低下(1等米の減少)
・インバウンドによる米の需要増
・8月の南海トラフ地震の報道や台風の影響による急な買い込みの増加
しかし本当の原因は長年にわたる減反政策でお米の生産が年々減らされていることではないでしょうか?
農水省によると米の消費は毎年10万tずつ減っており、これを根拠に減反政策が取られています。
現場の声も聞いていると、元々お米の生産量自体がどんどん減らされているところに天候不順やその他の要因が重なり、一気に米不足となった、というのが現実のようです。
価格高騰の原因とは?
2024年の新米の価格は昨年の1.5~2倍となっています。
2023年よりも収穫量が多いのに価格が高い原因は、まずウクライナ情勢や円安の影響で肥料や燃料などの生産コストが上昇していることが揚げられます。
大畑大介商店で取り扱っている熊本県のお米の場合は、猛暑の影響で例年以上に水が必要となったことも原因です。暑さで大量の水道水を田んぼに使うことで費用が嵩み、これもお米の価格高の要因となりました。
(熊本県は阿蘇山の火砕流堆積物が降り積もった地層です。そのため水が浸透しやすく、良質で豊富な地下水に恵まれています。水道水源の約8割が地下水なので、その水でできたお米はとても美味しいです!)
仲良しのふたり。南さんの祖父、大本公さん(左)と大西将太郎さん(右)
未来へ引き継ごう!お米は日本の食文化の象徴
と、ここまで米不足と価格高の原因について述べてきましたが、こと米不足の根本に潜んでいる原因は、国の政策だけでなく私たち消費者にもあると思います。
パンや麺類など小麦製品への依存度が高まり、お米を食べる回数が減ってしまった事は否定できません。
しかしお米は食料自給率が38%と低い日本において数少ない自給率100%の食品であり、日本人にとって最も重要な食べ物の一つです。
私たちが普段からもっとお米を食べていれば、今回のような米不足は起こらなかったのではないでしょうか。
価格高については、赤字を抱える米農家が多く、今年やっと適正価格に近づいたとの声が聞かれます。
様々なものが軒並み値上がりしており消費者にとっては辛いことですが、生産者も現在の価格でないと今後の米作り自体が難しくなってしまうような厳しい状況です。
2024年12月の参議院予算委員会では野党から「消費者に現在の米の価格が適正であるという意識が定着するまでは政府の支援が検討されるべきだ」との提案もありました。
消費者と生産者がWin Winの関係になるような施策が生まれることを期待しながらも、令和の米不足を改めてお米について考えるきっかけにしてみませんか?
最後に
大野保育園、大本商店との田植えと稲刈りも今年で4回目となり、参加者にとって初夏と秋に行われるなくてはならない大切なイベントになってきました。
周囲の方々にも興味を持っていただいたり、評価いただくことも増えてきました。
新しい試みとして今年はオンラインで博乃会の施設と熊本の現場を結び一緒に新米を味わいました。
大畑自身も「新しいことを加えて参加者が飽きずに楽しめるようにしないとね!」と言っている通り、来年以降はまた新たなチャレンジやアイデアをプラスしていく予定ですのでぜひご注目ください。
今年は新しい試みとして大本商店のお米を使って下さっている大阪の博乃会の高齢者施設(大阪)と熊本をオンラインでつなぎ、距離と世代を超えて同時に新米の昼食をいただきました。
おまけ
翌日は玉名市の隣にある玉名郡長洲町のスポーツフェスタで、地元の小学生を対象にタグラグビー教室を開きました。
最近何かと九州を訪れる機会が増えてきている大畑大介と商店スタッフです。九州の皆さん、これからもよろしくお願いします!
参加者は地元の小学生たち。秋晴れの爽やかな空の下、どんよりしているのは二日酔いの担当(私)だけ。
各ポイントでじゃんけんに勝たないとゴールにたどり着きません。(左:大本商店の南翔悟さん)
良いところまで来ても、大畑には負けてやり直しになる。これを何十回も繰り返すという沼にハマった子もいました笑。
参照
熊本県HP、同サイト「地下水保全の取組みについて」
農林水産省 令和6年度 米の流通状況等について
令和6年12月6日参議院予算委員会 インターネット審議中継
この記事を書いた人
うどん県出身。
宝飾品会社、大手テレビ通販会社勤務を経験したのち、不思議な縁に導かれ20数年暮らした東京から大阪に移住、大畑大介商店の担当となる。
大畑も認めるラグビーマニアで、好きな選手は200人ほどいるが現在注目しているのはアントワーヌ・デュポンと李承信。
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